メトロポリタン美術館 The Met in NYC
ニューヨークシティにあるメトロポリタン美術館に行ってきました。観光シーズン真っ盛りの土曜日の夕方だったせいか、ずいぶん混雑していました。(とはいえ東京の混雑とはレベルが違います。)夜9時まで開いているので、夕方から入ってもじっくりとみることができます。
Informationで全体の地図を探していると、日本人の案内係のひとに声をかけられました。見たい画家の名前を伝えると、さらに詳しい地図を渡してくださって、とても丁寧に説明してくださいました。おかげさまでこの日見たいと思っていた作品をすべて見ることができました。
メトロポリタン美術館ですごいなと思ったのは、ゴッホの展示です。ガラスケース越しではなく、直に目で絵画をみることができるため、立体的な筆の運びを直接感じることができます。これはゴッホ好きにはたまりません。圧巻です。アムステルダムのゴッホ美術館以外でこんなにしっかりとした展示を見ることができて感激しました。
フェルメールの作品も展示されていました。ただあまり感動はありませんでした。アムステルダム国立美術館でみた「牛乳を注ぐ女」は、一度見るとなかなかその場を離れることができないくらい引力があるのですが、ここにあるフェルメール作品にはなんとなくピンときませんでした。
特別展では中国の兵馬俑が展示されていました。今回初めて兵馬俑を見たのですが、あまりのリアルさと美しさに驚きました。紀元前にもかかわらず、この技術力の高さには脱帽です。ボストン美術館のアジア美術の展示はなんだかジョークみたいな内容でしたが、ここのアジア美術展示は常設展も含めてしっかりしていました。
「とても1日では回り切れない」とよく聞きますが、本当にそうだと思いました。そして、メトロポリタン美術館は量と質が伴っている数少ない美術館だと思いました。今回は3時間弱の駆け足鑑賞だったので、また行きたいです。(ちなみにボストン美術館はリピートしたいとは思わないです。)
Wonder Woman
随分前に見たのですが、今頃感想を。。。
公開直後から予想外の大ヒット、ということで、ストーリーもよく知らないまま映画館で見てきました。事前知識なしだったため予想外に楽しめました。後味のよい映画でした。
以下ネタバレ含みます。
とにかくワンダーウーマンのダイアナが美しい。
大画面で見ていてうっとりします。とにかく美しい。ロンドン到着後に数々のドレスを試着しますが、それもまたとても美しい。戦闘コスチューム姿も美しい。Gal Gadotは映画映えする人だと思います。戦闘シーン自体にはとくに目新しいものほありませんが、アマゾネスの戦いぶりはまるでエルフが戦っているみたいで美しくスカッとします。
ドイツが悪者という設定
第1次世界大戦中という設定なのでドイツが悪者です。あまりよくわからずに見ていたので、途中まで第2次大戦の設定かと思ってヒトラーがいつ出てくるのかなぁなんて思っていました。(もちろん出てきません。)21世紀になった今でも、ドイツや日本を悪者にするのは無難な設定なんだろうなぁと思いました。
Robin Wright登場
House of Cardsの主役の一人であるRobin Wrightが登場します。House of CardsでみるRobinはとてもきれいだなぁと思っていたのですが、ダイアナが圧倒的に美しすぎるせいか、あまりきれいだなぁと感じませんでした。現代の衣装のほうが似合う人なのかもしれません。
ダイアナの出生の秘密
ダイアナのお母さんの思わせぶりなセリフのおかげで、てっきりAresの子供だと思ってみていましたが、なんとZeusの子供でした。事前情報なしだったのですごくびっくりしました。ダイアナとの今生の別れに際してお母さんが「Be careful in the world of men, Diana, they do not deserve you.」といったのも納得できました。この映画で最も印象的だったフレーズです。
Ludendorffは思ったほど強くなかった
Dr. Poison(Dr. Maru)からもらった薬を飲んで超人的に強くなったのかと思いきや、ちょっと強くなっただけでした。ラスボスだと思っていたので、ダイアナにあっけなく倒されたときにはびっくりしました。
Dr. Maruにひねりなし
この人も最後は変身して戦うのかな・・・と思っていましたが、とくに見せ場はありませんでした。ちなみに、Dr. Maruのノートを解読するダイアナのシーンでは、C-3POかと突っ込みたくなりました。
AresはSir Patrick Morgan
えーっ、そうだったの?と単純にびっくりして楽しむことができました。いい人そうなのに。そして、全く強そうに見えないのに。ダイアナとの最終決戦シーンは、これまでの戦闘シーンとは一線を画す雷だらけの空中戦(?)で、まさに神様対神様の戦いでした。
ダイアナチームのおとぼけ最高
Steve、Sameer、Charlie、Chiefのみなさんがとにかくいい人。Steveの秘書もだいぶんいい味を出しています。ダイアナの天真爛漫さと相まって、抜群にとぼけていて、素敵で、これぞアメリカンムービーだと思いました。そして、Steveの最後のシーンでは、彼の気高いSelfless Determinationに泣けます。
というわけで、大いにスクリーンでの鑑賞を楽しみました。
人生最悪の日
Root Canal治療を終えて歯医者さんでAdvilとTylenolを飲んで家に帰ってきました。とくに痛みもなく、のん気にNetflixでHouse of Cards Season 2を見ていました。夫は夜に会食の予定が入っていたので、夕食の支度をする必要もありません。夕食の時間になりましたが、なにせこのドラマがとても面白いので空腹を無視して飲まず食わずで見続けました。
そして、おそらく午後7時40分すぎ。
第25話まで見終え、あと1話でSeason2も完結というところまで来て、そうだトイレに行こう、ということでバスルームに向かいました。
次に覚えているのは、目の前が白い床だったことです。あれ、私、寝てたんだっけ?ここはどこだろう、と思いながらぼんやりと起き上がると、血だらけになっていることに気が付きました。そして自分がバスルームに来ていたことを思い出しました。
どうやら気を失って倒れたようです。
メガネは壊れていました。
鏡で自分の顔を見ると、前歯が折れていました。
そして、たぶんその折れた前歯で口の中を切っています。その傷は鼻の下の皮膚まで貫通しているようです。
出血は続いていますが、貧血になるほどではありません。
ショック状態のせいか、痛みはほぼ感じません。
顔面の傷はこの他には見当たりません。
家で独りぼっちです。夫にSMSを送ってみましたが、返事はありません。たとえ返事があったとしても、職場から家に帰ってくるのに1時間はかかります。しばし呆然としていましたが、自分でなんとかするしかないので、気力を振り絞ることにしました。
午後8時前後。まずは血だらけの床を拭き、もし何かあったら行こうと予め調べていたUrgent CareクリニックであるPatient Firstに行くことにしました。ウェブサイトで診察時間を念のため調べてみると午後10時まで、と記載されていました。よかった、開いていると思い、Uberを呼んでクリニックに向かいました。ちなみに、素人判断ですが命に別条があるかんじではないので、ERには行きませんでした。
いざクリニックに着いてみると、車が一台も止まっていません。なんと、閉まっていたのです。玄関のガラスに記載された診察時間を見てみると午後8時までと記載されています。到着したのは午後8時18分・・・。
ここに来ればなんとかなると思って気力を振り絞ってきたのに、このあまりにひどい仕打ちにショックで立ちすくんでいると、なんとUberの運転手さんが開いているクリニックに心当たりがあるのでそこまで送り届けてくれる、とのこと。ありがたいことに、Uberの運転手さんはすぐには立ち去らずに、待っていてくれたのです。こんなに親切な人がいるなんて・・・。アメリカには神様がいる、と思いました。しかも無料で送って行ってくれるとのこと。とはいえ、それではあまりに申し訳なさすぎるため、現金でお礼をしました。
さて送り届けてくれた先はRighttime Medical Care。実は家から最寄りのクリニックです。ここの存在は以前から知っていましたが、Google Mapsでの評判がとにかく悪いため敬遠していました。とはいえ、そんなことを言っていられる状況ではないため、とにかく受診することにしました。
さて、クリニックの中に入ってみると、受診を待つ患者さんでごった返していました。英語を話す患者さんは少なく、ほとんどがスペイン語の患者さんでした。私のように服に血がついている患者さんはいませんでした。
患者さんが多すぎるせいか不機嫌な受付の人からタブレットを渡され、まずはレジストレーションしました。初めての受診なので、とにかく入力項目だらけ・・・。出血はまだ止まっていませんが、とにかく淡々と入力を済ませました。すべての入力を済ませると、受診予定時刻が午後8時40分と記載されていました。とにかく安静にしてジッと待合室で呼ばれるのを待ちました。冷房が強く、心細い気持ちも相まって、震えながら待ちました。
しばらくすると受付の人に呼ばれ、まだ何の診察もしていないのに支払いを命じられました。合計155ドル。えっそんなに安いの?縫うかもしれないのに?と半信半疑ながら支払いました。
午後9時過ぎにようやく看護師さんに診てもらえることになりました。まずは口の中を丁寧に洗ってくれました。鼻の下の皮膚も洗浄してくれました。縫うことになるでしょうね、とのこと。看護師さんがおでこを触ると痛みが走りました。これはたんこぶですね、とのこと。おうちにアイスパックありますか?と聞かれました。
このクリニックでは、看護師さんもお医者さんも、とても親切で心優しい対応をしてくださいました。日本ではこんなに心暖かい対応を医療関係者にしてもらったことはありません。。。心細い気持ちを勇気づけてもらえました。ここにも神様がいる、と思いました。
さて診察室でさらに待つこと約1時間。このころにはようやく夫とも連絡が付き、クリニックの待合室に迎えに来てくれました。
医師の診察はようやく10時20分ごろに始まりました。医師が縫うための準備として、口の中にリドカインを塗って表面麻酔をしてくれました。するとそのとき、折れていた前歯が傷口からぽろっと出てきたようです。歯でできた傷は深いものの感染の可能性があるので縫わないほうがよい、とのこと。傷口はそのままにしておくことになりました。そして、朝一番に歯医者さんに行って歯の治療をしてもらうように、とのこと。牛乳が入った容器に折れた歯を入れて持ち帰らせてくれました。歯医者さんの予約がとれないかもしれないです・・・と弱気な気持ちを伝えると、電話せずにとにかく朝一番に歯医者さんに行って状況を説明すれば診てもらえますよ、とのこと。
どうなるかわかりませんが、とにかくそうすることにしました。鼻の下の傷には大きな絆創膏が貼られ、まるでちょび髭をはやしているような滑稽な風情です。処方箋には抗生物質と痛み止めを出してくれました。
診察室を出たのは午後11時前。待合室には夫以外は誰もいませんでした。夫の顔を見つけてホッとしました。外はもう真っ暗になっていました。
家に帰ってくると、それまで気づきませんでしたが、頭を打ったせいか横向くとめまいがします。とはいえ、とくに頭痛もなく、顔面に青あざも出てきません。口のなかの痛みはリドカインのおかげか、とくにありません。折れた前歯のあたりも特に痛くありません。むしろRoot Canal治療で入れた仮歯が噛むと痛いくらいでした。
痛みはほとんどないものの、その夜は興奮状態のせいかショック状態のせいか、あまり眠れませんでした。
そして翌朝。
かかりつけの歯医者さんの診察開始時刻は午前8時30分です。口を負傷しているため話すのは極力控えたいところです。そこで、何が起きたかを説明する文書を作成して持参しました。8時15分ごろに歯医者さんに到着し、待合室で待機。受付の人が受付に現れたときに、その文書を渡したところ、真っ先に診てもらえることになりました。ここにも神様がいました。
いつも診てもらっている先生は不在のため、もう一人の先生に診てもらうことになりました。いつも担当してくれている歯科助手の人も駆けつけてくれて心配してくれました。牛乳に浸して一晩保管した歯を渡し、治療が開始しました。前歯に痛みがないため、応急処置として折れた歯をそのままくっつけることになりました。気になっていた口の中の傷は治り始めているとのこと。縫わなくて正解だったようです。
鮮やかな手技であっという間に折れた歯を接着してくれました。この歯医者さんの技術は本当に素晴らしいです。治療費600ドル。歯医者さんは、とにかく高い・・・。翌週診察に来るようにと指示され、この日の治療は終了。
さて、なぜ気を失ったのかは今でもわかりませんが、もう若くないことを自覚し、
- 空腹や脱水状態には注意しなければならないし、
- 歯医者さんが大丈夫と言ったとしても、AdvilとTylenolを一緒に飲むのは今後一切やめよう、
と思いました。打ち所が悪ければもっとひどいことが起きていただけに、これくらいのケガで済んで、心の底からありがたいと思いました。そして、今回助けてくださったすべての人に感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。
ところで困ったことがあります。
前歯はついさっき接着した状態です。奥歯もRoot Canal治療をしたばかりで噛めません。上唇も通常の2倍程度に腫れ、鼻の下も切れているので、怖くて満足に口を開けることもできません。そしてなんといっても口の中の傷がどうなっているのか自分ではわからないので、口の中に食べ物を入れる気になりません。
とはいえ何も食べないわけにもいきません。何を食べるとよいのでしょうか・・・。それについてはまた次回。
根管治療
今日はバリっと壊れてしまった歯にクラウンを被せる日。
実は仮の歯を入れて以来、噛むたびに鈍い痛みがありました。そのことをクラウンを被せる前に先生に伝えると、「Root Canalの状態を評価してもらったほうがいい」ということで、同じビルに入っている根管治療医(Endodontics)に梯子することになりました。同じビルなので早速出向きアポだけ取って帰ろうと思っていたのに今日治療を受けることができるとのこと。まだ麻酔が効いている状態だったので、麻酔が切れる時間に再訪問することになりました。
というわけで、恐る恐る再訪問してきました。新しいクリニック 、新しいドクター、そして初めてのアメリカでのRoot Canal治療なのでとても緊張しました。
まず、冷たさを感じるテストと噛んだ時の痛みのテストを済ませると、ドクターから治療のオプションが2つ提示されました。
1:様子を見る
2:仮歯を取って中を見て、治療をする
ここまできて1はないでしょう。当然2を選択し、中の様子を実際に見てもらったところ、
「炎症が起きているのでクラウンを被せたりしたらさらに悪化していたでしょうね。選択は正しかったですね。」
ということで、初めてのアメリカでの根管治療に臨むことになりました。治療時間は平均1.5時間とのこと。治療前に血糖値を上げるためにリンゴジュースを飲みました。血圧と体温も測定されました。
さて、いざ根管治療。日本だと、神経を抜いている嫌な感覚がどうしても治療中に付きまとい、しかも治療中に嫌な機械音がします。今日受けた治療ではその嫌な感じを感じることはありませんでした。ラバーダムも使ってくれるし、丁寧で手際が良く、痛みもまったくありません。機械音はありますが、日本で聞くサウンドとはだいぶん違います。
治療後に先生から痛み止めとしてタイレノールとアドヴィルの両方を飲むことを勧められました。タイレノールは中枢神経に訴えかけて痛みを止め、アドヴィルは炎症を抑えにかかるので両方飲むとよいとのこと。こんなに多くの痛み止めを一度に飲んだことがないのでちょっと怖い気もしましたが、治療した部分が痛くなるのは嫌なので思い切って飲んでみました。
今のところまだ麻酔が効いているので痛みはありませんが、この後どうなることやら・・・。念のため、帰りがけにアドヴィル(の後発品)も買っておきました。
さてさて今回の根管治療だけでまたもや2000ドル。この歯の根管治療はこれで終わりましたが、次々に虫歯が発覚している現状を鑑みると他の歯も心配です。総額で一体歯にいくらかかるのか・・・おそるべし。
ベートーヴェン交響曲第9番 Symphony No.9, Op.125 @The Kennedy Center
National Symphony Orchestra(NSO)の音楽監督を7年務めたエッシェンバッハ氏による最後の指揮をケネディーセンターで聞いてきました。最後の演奏はベートーヴェン交響曲第9番です。カラヤンの第9の演奏を入念に聞きこんでから本番に臨みました。
一流奏者による第9の生演奏はやはり圧巻でした。優雅この上ない調べ。そしてコーラスの入る第4楽章は感動が一潮でした。音楽の力を感じました。いいものを生演奏で聴くことができて幸せだなぁとしみじみ思いました。
会場は満員で、演奏が始まる前からスタンディングオベーションでエッシェンバッハ氏を迎え、演奏が終わると再びスタンディングオベーションで見送りました。とても名残惜しかったです。
歯がバリっと・・・
良い天気だったので、お昼ご飯にマクドナルドでバーガーとフライを買ってきて、家の中庭でのんびり食べていたところ、なにやら激しく硬いものをゴリっと噛んでしまいました。フライの揚げすぎた部分かなぁなんてのんきに思っていたら、自分の歯でした・・・。合掌。鏡で見てみると、自分の奥歯の一部がごっそりとなくなっていました。
へこみつつ、急いでいつもの歯医者さんに電話したところ、なんと今日の午後すぐに診てもらえることになりました。ありがたいことです。
いつもの先生に診てもらったところ、「これは予想していなかった壊れ方ですね・・・」とのこと。神経のギリギリのところまで虫歯になっているとのこと。確かにここのところしみるような気がしていたのですが、疲労のせいかと思っていました。
というわけで、即麻酔してゴリゴリ削られ、クラウンを入れることになりました。うーん、またもや巨額の出費、痛いです。麻酔が切れた後も、神経に近いせいかしばらく疼いてつらかったです。トホホ。
New Englandへ小旅行③Boston
Cape CodからBostonに戻ってきました。約2時間ちょっとです。運転の荒いボストンの市街地で運転する気にはなれないので、レンタカーは返してUberで移動することにしました。
まずはハーバード大学の巨大なキャンパスを見学してきました。とにかく広いです。友人の案内で建物の中にも入ってみると、さすが・・・というしかない設備の良さでした。
ボストン美術館は確かにすごいのですが、DCのナショナルギャラリーやThe Barns Collectionを見てしまった今は・・・。
New Englandへ小旅行②Cape Cod
Cape Codは有名な避暑地です。Edward Hopperの絵にも再三取り上げられている景色を実際に見てみたくて、今回の旅行先に選びました。そして、やはりとても素敵な場所でした。
NewportからCape Codには車で2時間30分。この道はあまり渋滞もなく、しかもボストンほど荒い運転をする車もなく、比較的スムーズに移動することができました。Cape Codのビジターセンターの一つに寄ってみたところ、まだシーズンオフなのでお休み中とのこと。ただ、たまたまメンテナンスに来ていた職員のひとが親切に見晴らしの良い場所を教えてくれたので、行ってみました。まさにEdward Hopperの絵に出てきそうな風景を見ることができました。感動です。
宿はCape Codの終点にあるProvincetownの小さなB&Bにしました。季節も天気もよく、あまりの居心地のよさにすっかり時を忘れてしまいそうでした。こういう場所が家の近くにあれば週末に通いたいと思いました。
ちなみにProvincetownは全米でも有数のゲイタウンだそうです。確かにレインボーフラッグを高頻度で見かけました。6月上旬はまだオフシーズンなので静かなほうだったみたいですが、夏のオンシーズンにはずいぶんにぎやかな場所になるそうです。
New Englandへ小旅行①Newport
Newport ~ Cape Cod ~ Bostonへ小旅行に出かけてきました。
まずはDCからボストンへ飛行機で移動。ボストン空港でレンタカーを借りて一路Newportを目指します。Google Mapsによると2時間ちょっとです。
ボストンの車の運転の荒さにはまいりました。上海や北京に次ぐ荒さです。ハイウェイの渋滞もひどく、下道は悪路が多くて、怖い思いをしながらNewportに向かいました。
そしてNewport。ここにはサマーコテージと呼ばれる豪邸群があります。「コテージ」と呼ばれていますが、全然「コテージ」ではありません。ヴァンダービルト家の別荘 The Breakersを筆頭に複数の豪邸があり、今回はThe BreakersとRosecliffを見学してきました。ちなみに冒頭の写真はThe Breakersです。建物の外も中もとても豪華です。西海岸のHearst Castleとは違って、とても趣味がよい内装でした。音声ガイドを借りることができるので、部屋の装飾の意味合いを理解することができます。
RosecliffはThe Breakersと比べるとこじんまりとしていますが、とても品の良い内装で、見学中うっとりしました。一方で、所有者の悲しい歴史を音声ガイドで聴いていると、こんなにお金持ちでも人生はままならないものであることを改めて感じました。
このエリアには有名なコテージ群だけではなく、普通に超豪華なお屋敷が並んでいます。それらを道から眺めるだけで、その豪華さにため息がこぼれました。
National Museum of African American History and Culture
3か月前にTimed Passをインターネットで入手し、ついに話題のアフリカンアメリカン博物館に行ってきました。平日なのに博物館の外も中も人でごった返していました。Yayoi Kusama展みたいに並ぶのかなぁと思っていましたが、とくに並ぶこともなくあっけなく入ることができました。入った入口がよかったのかもしれません。Consititution Ave側の入口だと、空いていました。
中に入ってみると、鑑賞して疲れ果てた人々が玄関ホールにたむろっています。ほかのスミソニアンでは見かけない光景です。いったん出ると再入館できないからかもしれないです。
さて、こちらの博物館は地下に常設展示があります。まずエスカレーターで地下1Fに降りて、そこからは大きなエレベーターに乗って地下2Fに直行します。この構造を知らずに入館したのですが、ヒトの流れについていくと自然にたどり着くことができます。
地下の常設展の展示内容は、想像以上に、重く、つらく、痛ましい内容でした。
奴隷としてアフリカから誘拐されアメリカに連れてこられ、想像を絶する重労働と非人間的な扱い。彼らの犠牲はアメリカ南部だけではなく、全米の発展の礎だったこと。
憲法の文章と現実の矛盾。ジェファーソンは建国の父の一人ですが、有色人種に対する発言は衝撃的でした。私は「Men」という点にもいつもひっかります。
そして奴隷解放を大義とした南北戦争が北軍勝利で終わったあとも奴隷解放がすぐにすすんだわけではないこと。
その後の2度の大戦での扱い。
戦後の市民権運動黎明期の惨劇。とくにEmmett Tillの展示は、読めば読むほどもうどうしようもなく気持ちが沈み、どよーんとする一方でした。
そして市民権運動の名もなき市民たちの勇気と悲劇。Rosa Parksの衣装やGreensboroのランチカウンターの一部が展示されていました。
そして現在。ここまでの展示を見てきて、オバマ氏が大統領に就任したのは万感の出来事だったんだろうなぁ、と改めて感じました。しかしながらまだ出口が見えているわけではないことを訴えるビデオが最後に上映されていて、心を強く揺さぶられました。
感受性が豊かな人であれば、つらすぎて途中で休憩しないと気分が滅入ってしまい、見続けられないとおもいます。そんなときにはこの広場で一息つくのがぴったりです。
なぜ上から水が落ちてきているんだろう、と思ったら、これはMartin Luther King Jr 牧師の言葉をモチーフにしているからなのです。
"We are determined ... to work and fight until justice runs down like water, and righteousness like a mighty stream"
この具現化にグッときました!
全般として、中のつくりと展示は非常に凝っていて、見応えがあります。私の場合、見応えがありすぎて見続けるのがつらく、1度の見学ではとても全部を見切れませんでした。
見学者の数は多く、遠足で来ている中高生も大量にいます。熱心に見学している人も人種に関係なく多くいました。他のスミソニアンとは、見学者の熱心さが少し違うように感じました。ミュージアムショップも入場制限がかかるくらいの人混みで、開館からもうすぐ1年ですが、まだまだ人気は衰えていないようです。
この展示内容を考えて実現した人々の熱意と労力は、とてつもなく膨大だったと思います。それに呼応するかのように、見学者がそれぞれの思いを胸に熱心に展示を見学している様子をみると、改めてアメリカの大きさを感じました。