白雲無盡時~2度目のアメリカ暮らしを終えて帰国

DC郊外のNorth Bethesdaで暮らしていました。旅、美術館巡り、スポーツ観戦などで日々を楽しんでいました。日本に帰国してからもこの趣味をどうやって続けるかが課題です。

Conservation I @ DCEFF25

今日はCarnegie Institute of Scienceにて絶滅危惧種の保護に関するショートフィルム集を観てきました。上映されたのは下記の4つです。

とくに最後のRed Wolf Revivalは悩ましいテーマだと思いました。

絶滅寸前のRed Wolfを保護するために、North Carolinaで保護区を設定し保護活動を開始。しかし、地元住民にとって害獣であるコヨーテとの区別がつきにくいため誤って駆除してしまうこと。さらに、そもそもWolfは厄介と思われているためRed Wolfの絶滅を宣言して保護区を廃止する方向に向かっていること。「ベンガルトラやアフリカの象の保護が進まないのは現地の人々の無理解のせい」だと思っていたのに、実はアメリカでも同じことが起きていること。

重いテーマだけに、上映後のQ&Aでも特にこの映画の監督Roshan Patel氏とのQ&Aが活発になされました。とくに感動したのは、監督自身が建設的にこの問題に取り組んでいたことです。地元住民にこの映画を見せて啓発&対話集会を開催したり、映像を貸し出して学校での啓発活動につかったり、North Carolina以外で保護してくれるところを探したり。解決には時間がかかるものの人々の善意を信じている様子が、静かに、そして、力強く伝わってきました。

こういうドキュメンタリーモノを見た後で制作者の意図をQ&A形式で知ることができるのはよいなぁ~と改めて思いました。

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Voices from Chernobyl @ DCEFF25

環境映画祭で上映されている映画を観てきました。Hirshhorn美術館で上映されたVoices from Cherobyl。ドキュメンタリー映画だろうと思っていたら、そうではなく、Cherobylの被害後の数人の人生が、抑制されたトーンで、語られていました。ルクセンブルク制作で全編フランス語なので、英語字幕です。字幕を読むのに必死で(笑)、美しい映像をじっくり観る余裕がありませんでした。チェルノブイリはウクライナにあるのですが、この映画ではベラルーシの被害についても多く語られていました。誰もいない大地に木々などの植物が繁茂している様子をみると、もののけ姫のワンシーンを思い出しました。シシ神様の最期に吹く風が大地の自然を再生させる、あの風景です。

250人ほど収容できるRing Auditoriumには、ざっと見て100名くらいが集まっていました。帰宅時には、案の定メトロのシングルトラッキングが始まっていて、帰宅に時間がだいぶんかかりました。

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SAAM再訪

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イサムノグチ展が今週末で閉幕するので、最後にもう一度鑑賞してきました。何度見ても飽きることがなく、こんな作品あったっけ?と思いながらとても新鮮な気持ちで鑑賞しました。

これまで存在に気づいていませんでしたが、信楽焼の作品がありました。石や岩を加工した作品が多いだけに焼き物の作品は異色でした。Atsumi-sanという名前の作品です。

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イサムノグチ展をじっくりと時間を過ごした後、3階に移動してコンテンポラリーアートを鑑賞しました。今回は4月上旬に終わってしまうGene Davis展をメインに回ることにしました。縦じまのカラフルな作品群。イサムノグチのように、なぜか心が穏やかになる、というようなカテゴリーの作品ではありません。一目でGene Davisだとわかる、特徴的な画風です。

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Pursuit of Silence @ DCEFF25

Smithsonian National Museum of Natural Historyで上映されたPursuit of Silenceを観てきました。500人くらい入りそうなホールがほぼ満員でした。

映画は自然の音のみで構成された映像で静かに始まり、日本の禅や茶道の精神性と静かさの関係が語られ、騒音が大気汚染に次ぐ世界の公害の一つであること、Silenceは音があってこそ認識されること、「教育はとても大切」と言っている割には小学校の真横を電車が走って授業がたびたび中断することを甘受する社会の矛盾、などなど、これまで誰でもなんとなく感じていたことを美しく構成した映画でした。

上映後には制作者側が登壇し、観客とのQ&Aセッションがありました。これがなかなか興味深かったです。

静かさを恐れるのはなぜでしょうか?という問いには、自分自身と対峙するのが怖いから、という哲学的な答えが帰ってきました。

Silenceがテーマなのになぜこの映画ではピアノのBGMが多用されているのか?という問いには、BGMを入れないと映画館のエアコンの音や隣に座っている人の咳の音などが気になってしまいむしろ集中して映画を見れないから、という回答があり、なかなか奥深いと思いました。

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今シーズン最後?の雪

暖かい日が続いていましたが、それから一転して真冬の寒さに戻りました。昨日は東海岸北東部を中心に大雪警報発令。停電を心配していましたが、蓋を開けてみるとこのあたりではそれほど降らず1インチほどの積雪ですみました。GMAの放送も飛んで、地元局による大雪特別番組になっていました。地元局のABCの放送があまりに緩くて見ていられず、NBCを久しぶりに見ていました。それほどの大雪でもなかったためか、特別番組も正午で終了しました。

本日の最高気温も30Fとのこと。厳しい寒さが続きます。風邪がせっかく治ったので、悪化させないようにしたいです。

歯医者さんへGo!④

今回は左上の2本の歯の治療に行ってきました。前回の右側の治療では、削ってからポーセリンを入れるまでに1か月半を要したのですが、今回はそんなに待っていられないので1か月以内でできないかと相談してみると、やってみる、とのこと。

そして、あいかわらず華麗なテクニックで麻酔がかけられます。今回は左上のみなので気分的に楽です。ものすごい音がする機械で歯が削られたときには焦げ臭い匂いが漂ってきて恐怖心があおられました。虫歯を削り、印象を取り、仮歯を丁寧に調整して今日の治療は終了。出血もほとんどないようでした。前回よりも処置時間が短いように感じていましたが、所要時間はぴったり2時間で、前回と同じでした。

麻酔は6時間くらいで完全に切れましたが、その後もとくに痛みはありませんでした。なぜか治療費が想定よりも1000ドルほど安くてうれしかったです。次回請求されないことを祈っています。

記録的に暖かかった今年の冬

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今シーズンの冬は記録的に暖かい冬となりそうです。このままいくと過去3番目に暖かい冬だそう。確かに昨日もうららかな晴天で気温も70F超。街中では半袖の若者を目にするほどでした。花粉も随分飛んでいます。

打って変わって今日は冬に逆戻り。なんと外は雪です。積もるほどは降っていないのが幸いです。さらにこのまま来週も最高気温が40F付近の日が続くとのこと。この寒さのせいで、サクラの開花が先日の予報よりも数日遅くなりました。最新の予報では3月19日ごろからTidal Basinのソメイヨシノが満開になるみたいです。

第25回環境映画祭 The 25th Environmental Film Festival

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Expressに別刷冊子が入っていました。来週から始まる Environmental Film Festivalのプログラムの告知です。随分大規模に実施される映画祭のようで、DCの映画館で上映されるものもあれば、スミソニアンの各博物館、ナショジオ本部、カーネギーサイエンス、大使館でも環境にまつわる映画が上映されるようです。

なんだかDCっぽくてイイ、というミーハー感覚で、いくつかの映画を鑑賞することにしました。無料のイベントもあれば、$10~$20くらいの参加費が必要なイベントもあります。上映される映画はすべて環境にまつわるもので、環境活動的な内容もあれば、美しい自然の映像を楽しむ映画もあり、なんだか面白そうです。残念ながら平日昼間に上映される映画はほとんどないので、夜に外出しなければならないというのがネックです。というのも夜19時ごろを過ぎるとメトロの本数が激減するる上に、シングルトラッキングになるので、帰宅に要する時間がとても長くなり、疲れてしまうのです。

とりあえず8本の鑑賞を申し込みました。こんなに夜間の外出ができるか体力的に心配ですが、せっかくなので観られるだけ観てみたいと思います。

 

Kedi

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イスタンブールの野良猫のドキュメンタリー映画です。ネコのドキュメンタリーと言えば岩合さんのネコ歩きを真っ先に思いつきます。岩合さんの番組は、ネコとその風景の空前絶後の美しさに加えて、岩合さんの暖かい眼差しとにかく癒されます。一方でKediは、岩合さんの番組のように静かにゆっくりとネコのペースで進行していきますが、ネコよりもネコにかかわる人々の心情のほうが印象に残る造りになっていました。

激動の歴史を潜り抜けてきたイスタンブールで、何千年も続いてきた人間と野良猫の独特の関係。今でもその関係を守りつつ、ここ数年の急激な街の開発によって野良猫が住めなくなるのではないかと心配する人々。そして、野良猫のことだけではなく、環境の急激な変化から取り残されてしまった人々自身の不安が強く伝わってきます。世界のいたるところで起きていることが静かに表現されていました。

描かれているイスタンブールの美しい風景にウットリします。数年前に旅したイスタンブールを鮮明に思い出させました。古い町並み、西洋とイスラムの混在、街の喧騒、雑然さ、貪欲さ、人混み、野良犬、野良猫、未来への期待、急激な変化に対する不安。「リラックス」とは対極にある独特の場所。最近は物騒な事件も発生しているので以前のように気軽に旅に行く場所ではなくなっていますが、またいつか旅したい場所です。

ちなみに全編トルコ語なので、英語の字幕で映画を見ました。字幕の切り替わるスピードが速くて、ついていくのに必死でした。

長引く風邪 → 花粉症 

数日前に風邪をまた引いてしまい、のどの痛み+鼻づまり+高熱のコースに入ってしまいました。今回はTherafluという薬を飲んでみました。リプトンのレモンティーとコラボしている、いかにもアメリカっぽいバージョンを試してみました。

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このお薬は暖かいお湯に薬の粉を溶かして飲みます。味は確かにレモンティー。お薬っぽいかんじはありません。風邪でつらくても楽しいティータイム気分で・・・というつもりで試してみたのですが、そもそも体調が悪いのでゆっくりとお茶を飲むという気分にもなれず、飲み切るのがだんだん苦痛になってきます。さらに残念なことに、効いた実感を持つことができませんでした。ティータイムが楽しめる体調、つまり風邪のごくごく初期に飲むのが良策なのかもしれないです。というわけで、またもやDayQuilとNyQuilに戻ってしまいました。

 

さて高熱が過ぎたあと、今度は鼻水が止まらなくなりました。鼻水といえば、この前に風邪を引いたときに買ったAdvilが残っていたので試しに飲んでみました。今回は効くかな、と少し期待してみましたが、またもや全然効きませんでした。困ったもんだなと思って、ダメモトでAllegraを飲んでみると、ぴたりと止まりました。Runny noseは風邪のせいかと思っていましたが、今回はアレルギー性鼻炎だったみたいです。

確かにDCでは今花粉が結構飛んでいます。おかげで外出すると場所によっては鼻水が大発生します。強風の時はテキメンに症状が悪化します。せっかく気温も温かくなってきたのに、出かけるのが億劫になっています。

おまけに、家の中で超音波式の加湿器を使うと鼻水が止まらなくなったので、加湿器自体を捨ててしまいました。

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