東京国立博物館 本館
東京国立博物館の本館にも行ってきました。
日本の美術作品を、縄文時代から近現代のダイジェストで観ることができます。DCのFreerよりも、当然すごいです。METの中国芸術展示と同等程度でしょうか。
平日午前だとそんなに混みあっているわけでもなく、自分のペースで作品を鑑賞することができました。ただ、午後になると人が増えていました。休日だとさらに混みそうです。
日本の美術作品は光に弱いものが多いので、長く展示していることができません。このため常設展で同じ作品を2~3年にわたってみることができるわけではなく、1か月~数か月のみの展示となります。行くたびに新しい展示が見られるわけですが、同じ物を何回も見たい派にとっては、仕方ないもののややつらいです。
特別展の奈良の御仏の展示は猛烈な人だかりで、鑑賞する気が持てず、素通りせざるを得ませんでした。同じく特別展の三国志展もたくさん人がいる雰囲気でした。
この日は法隆寺宝物館と本館を見学しました。アジア館も行きたかったのですが、疲れてしまって無理でした。また次の機会に訪れたいと思います。
法隆寺宝物館@東京国立博物館
まさか東京に法隆寺宝物館があるなんて。東京国立博物館内あると先日知り、さっそく訪問してきました。平日の開館と同時に行ってみたところ、宝物館は隅に位置するためか、訪れる人が誰もいなくて、閉館しているのかと思うほどでしたw。東京でこんなに空いている美術館があるのは驚きでした。
しかも、展示が素晴らしい。法隆寺の宝物なので、7~8世紀の飛鳥時代の仏教美術がメインで、なかでも観音菩薩像が荘厳に展示されています。素晴らしいとしか言いようがありません。そして重要文化財だらけです。ちなみに上の写真は国宝です。
建物は谷口吉生の設計です。外観とランドスケープの調和が美しく、ずっと見ていたい気持ちになります。建物の中は、直線的ですっきり、木材がふんだんに使われていて、心が落ち着きます。まるでMOMAにいるような気持ちになりました。
ここは何度も訪れたい場所です。
ちなみになぜここに法隆寺の宝物がそろっているかというと、明治時代の廃仏毀釈で荒廃を危惧した法隆寺が、皇室に献上することで宝物を守ろうとしたからということです。悲しい歴史のもと、何が大切かを考え抜いた当時の人々の知恵に感謝と尊敬しかありません。
塩田千春展@森美術館
六本木の森美術館で開催されている塩田千春展に行ってきました。これは素晴らしい展覧会でした。
今回の展覧会は、糸を組み合わせた大きな造形物や、絵画、写真などで構成されている大規模回顧展です。彼女の作品を理解するのは難しいですが、造形物の作品の魅力は格別で、時間を忘れて見入ってしまいました。写真で振り返ってもすごいなぁと思いますが、実際に目にすると、とにかく圧倒的な存在感です。
繰り返しますが、これは素晴らしい展覧会でした。日本に帰ってきてから目にする日本人のコンテンポラリーアートは、誰かの模倣品のように感じていましたが、塩田千春の造形作品は、圧倒的にオリジナルでした。すごい迫力でした。一方で絵画や写真は、方向性に悩んでいた時期に作成したのか、ハッとするようなものはありませんでした。
平日の午前に訪問したのに、しかも作品は難解なのに、観客が結構いてびっくりしました。
国立西洋美術館を訪問
上野の国立西洋美術館に行ってきました。おそらく日本ではここが西洋美術の最高峰だと思われます。今回は松方コレクション展と常設展の両方を観てきました。
松方コレクション展ではゴッホのRoseや黄色い部屋、モネの蓮の絵が美しかったです。しかしながら、とにかく人が多くて、ゆっくりと鑑賞することは不可能です。にもかかわらず、こんなに大勢のひとが、しかもほとんどの人が入場料を支払っていることを考えると、ここを訪れる人の美術に対する関心の高さに感心しました。
ただ、鑑賞していて一番厳しいと思ったのは、人の多さよりも、作品の説明ラベルの字の小ささです。とくに英語表記は日本語よりもさらに小さな字だったので、まったく読むことができませんでした。いやぁ、きびしい!
一方で、常設展のほうは空いていました。有名作品が松方コレクション展のほうに移動していることも要因かもしれません。想定していなかったモダンアートの展示もあり、こちらはずいぶん楽しめました。PollockやMiroの絵画が見ごたえがありました。上の絵はPollockです。
ちなみに美術館のチケット売り場は平日昼間にも関わらず長蛇の列でした。私は事前にローソンのLoppiで当日券を購入していたので、並ぶことなく会場に入ることができました。
東京都現代美術館を訪問
東京都現代美術館に行ってきました。現在の展示は主に日本人芸術家のSculptureが中心でした。そんな中でも異彩を放っていたのがMark MandersのDry Figure on Chairという作品です。ずいぶん不思議な作品で、しばらく見入ってしまいました。日本人芸術家の作品は特に好みの作品はなく、どこかでみたことがある作品という程度の印象しか残っていません。
この美術館を平日の午後に訪れると、混雑はしていませんでしたが、思った以上に観客はいました。夏休み期間のHirshhornくらいの人手でした。
またこの美術館に来るか?と聞かれたら、たぶん行かないと答えます。アクセスが悪い割には、それに見合うご褒美がないです。
帰国準備チェックリスト
既に帰国したのですが、帰国に当たってアメリカ側でいろんな手続きがあったので、備忘録として書き残します。
- PEPCO連絡:ウェブサイトで手続きしました。解約する3週間前くらいに申し込みました。
- 水道連絡:大家さんが契約しているので、大家さんにどうしたらよいか相談しました。
- Verizon Fios解約:ウェブサイトでは手続きできないので電話で連絡。国外に出ることを伝えると引き留めトークを引っ込めてくれるので簡単に手続きができました。レンタルしていた機器は解約当日に最寄りのベライゾンショップに持っていきました。返却手続きはすぐにできて効率の良さにびっくりしました。
- 大家さん連絡:退去の3か月前に連絡しました。Walkthroughの日を決めることもお忘れなく。私が住んでいたところの大家さんはとても親切で仕事が早い人だったので、Depositも退去後2週間くらいで返金してくれました。
- USPS転送手続き:引っ越す2週間前にウェブサイトで転送の手続きをしました。
- 引っ越し業者手配:引っ越す2か月くらい前に業者に見積もりに来てもらいました。ちなみに海外引越はいつも日通にお願いしています。丁寧です。アパートに住んでいる場合は、引っ越し日のService Elevatorを予約することもお忘れなきよう。
- 日本での住む場所の手配:アメリカに来るときにすべて引き払ってきているので、住む場所を一から探さないといけませんでした。帰国してから2週間はホテル暮らしをしていました。
- AAA解約:AAAのショップに行って手続きをしました。国外に出ることを伝えると引き留めトークが終わるので迅速に手続きが終わります。
- 車のタイトル返却:MVAまで出向かずに、AAAで手続きをしました。手続き費用は確か8ドルくらいだったと思います。とても迅速でした。
- 車の保険解約:GEICOの電話で解約を伝えました。国外に出るので車を売ったことを伝えると、引き留めトークもなく迅速に手続きができました。
- Amazon prime解約:普段は年契約をしていたのですが、帰国日程が分かった段階で月契約に切り替えていました。ウェブサイトから簡単に解約できます。
- SmarTripカードの自動チャージ解約:こちらもウェブサイトから。
- 不用品処分:近くのGoodwillに不要になった衣類や雑貨を寄付しました。行為としては「寄付」なのですが、大きなTrash Binに無造作に放り込むだけなので、むしろ「処分する」という感覚に近かったです。本はFriends of Libraryにも持っていきましたが、こちらも処分感がつよかったです。
- 小銭の処分:Harris TeeterにあるCoinstarを使ってみました。アマゾンのギフトカードに替えるつもりでしたが、画面で選べなかったので、代わりにStarbucksのギフトカードにしました。結局使いきれずに帰国しましたw
- その他:普段通った道や場所をビデオ撮影しました。ビデオは写真よりも臨場感があるので、当時を懐かしく振り返るのにもってこいです。
このほかにもSailing Permitや税金などのややこしい事務手続きがありました。日本に帰ってからも日本側での事務作業がいろいろあるので、事務作業好きにはたまらないですねw
Darkest Hour
Darkest Hourを鑑賞しました。
面白かったです。それにしても、どうしてドイツはこんなに強かったのか、ますます知りたくなりました。
Lost in Translation in Tsukiji
築地に行ってきました。場外市場は国内外の観光客で活況を呈していました。景色をみて驚いたのは、この昭和的な雑然とした風景は、日本感たっぷりというよりもアジア感たっぷりだという点です。
DIC川村美術館を訪問
千葉県佐倉市にあるDIC川村美術館に行ってきました。
ここには印象派の絵画とコンテンポラリーアートの作品が展示されています。館内は撮影禁止なので残念ながら写真はありません。
最近Ellsworth Kellyの作品を複数購入したそうで、一室が彼の作品の展示に充てられていました。Black Curveと名付けられた作品が見事でした。
Rothko Roomと名付けられたRothkoだけを展示した部屋もありました。シーグラム壁画となる予定だった赤黒い作品群です。こちらも見事なのですが、狂気感が色濃く漂うため、短時間しか滞在できません。
Robert RymanやPollockの作品も1点ずつ展示されていました。こちらの作品もいい作品で、これらを見たときには心躍りました。Calderも3点展示されていました。
上記の作品はよかったのですが、そのほかの作品は好みではありませんでした。印象派の作品にいたっては、大家であってもあまり高いレベルの作品はありません。これまでNGAに通っていただけに、アメリカと日本の資本力の違いを感じざるをえませんでした。
帰りのバスを待つ時間がずいぶんあったので、美術館を3周しました。それでも時間があまったので、最後に学芸員のガイドによる鑑賞ツアーにも参加しました。NGAやほかのアメリカの美術館のDocent Tourとははるかに異なる次元の解説でした。改めて、アメリカは芸術鑑賞には適した環境だったんだなぁと再認識しました。わざわざ高速バスに乗って出かけましたが、再訪することはなさそうです。
日本で美術作品をじっくり鑑賞したければ、鑑賞対象を日本画や仏教美術に移行せざるをえないのかもしれません。