白雲無盡時~2度目のアメリカ暮らしを終えて帰国

DC郊外のNorth Bethesdaで暮らしていました。旅、美術館巡り、スポーツ観戦などで日々を楽しんでいました。日本に帰国してからもこの趣味をどうやって続けるかが課題です。

National Museum of the American Indian

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National Museum of the American Indianは、とにかく建物が美しいのです。

インディアンの哲学を具現化するべく建物には曲線しか配さないという徹底ぶり。グランドキャニオンを想起させます。1階のロビーで流れているBGMはアフリカで聞いた音楽と似ていて、響きには大地の香りが漂い、とても心地よい気持ちになりました。

展示内容を理解するべく、Docent Tourに参加してみました。インディアンの生き方、考え方、侵略の歴史を1時間にわたって展示を回りながら教えてもらいました。自然と共に生きること、とうもろこしがすべての基本になっていること、物事は常に対になっていること、インディアンにとって死は次の人生の始まりであること、などなど、知るほどに親近感がわきました。

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この博物館のカフェとショップは充実しているので、つい長居してしまいました。

 

 

NEWSEUM

NEWSEUMに行ってきました。こちらは入館料が約23ドルもします。スミソニアンで入館料無料生活を送っていると、20ドル以上の金額を支払うのにはなかなかの抵抗感があります。それでもなぜ行ってみたかというと、実はBOAに口座があると月初の土日だけ無料になるからです。入館の際には、口座を持っていることを証明するもの(デビットカードやBOAのクレジットカード)とIDをチケット受付で提示する必要がありますのでお忘れなく。

さて、NEWSEUMは報道がテーマの博物館です。受付を済ませると、まずは館内オリエンテーションの4分の映画を観ます。この映画で館内の全体を俯瞰することができます。1階にはベルリンの壁の一部が展示されています。どういう経緯でベルリンの壁が壊れドイツが統一されたのかをよく知らなかったので、良い勉強になりました。西ドイツ側の壁には落書きがたくさんあるのに東ドイツ側には一切ないのが印象的でした。

Berlin Wall Gallery

ベルリンの壁を見学した後、ガラスのエレベーターで一気に4階に上ると、アメリカ全州の新聞の1面が掲示されていて、州ごとのカラーの違いを目の当たりにできるのもおもしろいです。テラスに出ると国会議事堂を間近で見ることができます。紅葉の時期なので、とても美しいです。階段を使って階を降りていくと、大統領選直前に訪問したのでCNNのJohn Kingが使っていた過去の大統領選のデータベースや今回のキャンペーンについての展示もありました。そのほかにも、911の展示、公民権運動の歩み、報道の自由レベルを色分けした世界地図、歴代のピューリッツァー受賞作品の展示などなど、とにかく見ごたえ十分で鑑賞を終えるのには2時間では足りませんでした。展示の質が高く、考えさせられることも多く、博物館でこんなに知的好奇心がかき立てられたのは初めてでした。DCに来る機会があれば、ぜひ立ち寄ることをオススメします。

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2016年のアメリカ大統領選

大統領選が終わりました。毎度大統領選のときには中傷合戦が繰り広げられるわけですが、今回は、良識ある大人はそれは言わないよね、という暗黙的なルールを完全に無視した新しい展開でした。投票日当日までテレビは中傷コマーシャルで埋め尽くされていました。

CNNとABCの特番で開票結果を観ていると、開票が進むにつれてレポーターやアンカー陣は悲痛な面持ちに包まれていきました。建前の国アメリカで、リアルを見た一瞬でした。

CBSのStephen Colbertの夜の番組もライブだったわけですが、悲痛そのものでした。冒頭のコーナーに招いた2人の政治ジャーナリスト(John Heilemann と Mark Halperin)と一緒に、信じがたい状況をどうにか消化しようとしている様子は印象的でした。「今の合衆国をMRIで分析したとしたら、一体どんな診断になると思いますか?」「MRIで統合失調症を診断できないでしょう?」

0時くらいになって、おそらくこのまま状況は進んでしまうんだろうな、というところで寝ました。

翌朝、トランプが次期大統領になったことを確認しました。ABCのGMAは沈鬱な雰囲気でした。徹夜明けで疲れていたのもあると思います。

トランプの勝利演説は、これまでのトーンとは別人でした。メキシコを電撃訪問した時も、メキシコ大統領の前では借りてきた猫みたいでしたが、それに似た印象でした。

そして11時半ごろにヒラリーの敗北演説がありました。この演説は同じ女性として衝撃的なほどに胸を打ちました。何かに一生懸命に打ち込んだことがある女性にはぜひ聞いてもらいたい名演説です。この演説はこれまでの自分の人生の走馬燈のような瞬間でした。

さて、都会 vs 地方、Establishment vs 取り残された人、など、先進国ではどこでも見かける構図がアメリカにもあり、アメリカの大統領選の仕組み上は後者の意見が通りました。トランプは実現することが難しそうなことを複数公言していましたが、この先どうなっていくんでしょうね。約束したことを実現しなかったら、これまでの政治家と同じなのでは、と思いますが、Establishmentが右往左往するのを見ることができれば、それだけでも一般大衆の溜飲は下がるんでしょうか。一方で、大統領府と議会が解消されることになり、株価も上がったし、ドルも安定しているし・・・。おかげで円を売るタイミングを逸しました。

 

それにしても、CNNのJohn Kingは大統領選の数字Geekでした。アンカー陣が悲痛な面持ちになっていく中で、ひとりだけ刻一刻と変わっていく各種数字を分析して6時間以上も話し続ける集中力と情熱にアッパレです。

Doctor Strange

Doctor Strangeを観てきました。さすが話題作。テンポ良く話が展開していき、暴力シーンは少めで、視覚的に凝った演出がおもしろかったです。読後感も爽快なかんじです。普通の2Dで鑑賞したのですが、もし3Dで観ていたらきっと酔ったと思います。

1年後に内容を覚えているか?と聞かれると、忘れていると思います。

 

新しく使い始めた食器用洗剤と手荒れの時に使ったお薬

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Seventh Generationの食器用洗剤を使っていて手荒れがひどくなりました。そこで、

  1. 手荒れを治すお薬を使う
  2. 洗剤を変える
  3. 食器を洗うときには、必ず右手にはゴム手袋を着用する

を励行することにしました。

まずは手荒れの状態です。お見せするようなものではないのですが、同じように困っている人がいるかもしれないので、アップしてみました。中指の付け根の部分に湿疹ができてしまいました。さらに人差し指の指先と親指の付け根も怪しいかんじでした。

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ワセリンをつけていても全く治る気配がなかったので、インターネットで先達の知恵を検索し、Cortizone 10というクリームが効くとのことでしたので、早速Harris Teeterに行ってみましたが薬コーナーには見当たらなかったので、Targetに行ってきました。(後日、Harris Teeterにもあることがわかりました。薬コーナーではなく、バンドエイドのあたりにありました。)

こちらは白いクリームで、塗ってしばらくするとサラッとするかんじのクリームです。2~3日でよくなる、とのインターネット記事もありましたが、私の場合は1週間こまめに塗り続けてようやく治り始めました。ステロイドのお薬なのに意外につけ心地良好なので、使い続けることは苦ではありませんでした。いったん治り始めると早くて、クリームを塗るのは使い始めて10日くらいでやめました。

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そして、洗剤も変えました。オーガニック製品でもなんでもない、冒頭のただのピンクのDawnです。ゴム手袋と併用しているので、こちらの洗剤がSeventh Generationよりも手にやさしいのかどうかはわかりませんが、ゴム手袋をしていない左手はとくに荒れていないので、悪くないのだと思います。

そして、今は右手もすっかりよくなっています。

 

 

 

 

Captain Fantastic

ここ数週間はわざわざ映画館でみたい映画がないの困っていましたが、Landmark Bethesda Row Cinemaでやや古い映画を上映していることをしり、Captain Fantasticを観てきました。Rotten Tomatoesでも高い評価を獲得していて、なんといっても主役はあのViggo Mortensenです。The Lord of the RingsのAragornです。

というわけで観てきたのですが、結論から言うと、今年鑑賞した映画の中で最低でした。ストーリーが破天荒すぎて全く共感できません。子役の演技は上手なのですが・・・。玄人受けする映画なのかもしれません。Queen of Katweのときにも感じましたが、Rotten Tomatoesの評価は、ひとつの指標ではあるものの、あまり参考にはならないんだなぁと再び実感しました。

そして、Viggoは・・・Aragornにしか見えないのです。RangerとHippyにはやや似たところがあるので、そう思ってしまうのかもしれません。LOTRに似たシーンがあると、ついLOTRとシンクロしてしまって笑ってしまいます。

ちなみにElijahもどんな映画に出ていても、しっくりときません。一方で、Martin FreemanはBilboでもあり、現代版シャーロックに出てくるワトソンでもしっくりきます。

帰りに、この映画館の隣にあるハーゲンダッツでアイスクリームを買って食べました。いちばん小さなアイスを購入したのですが、6ドル強もしてびっくりです

Smithsonian American Art Museum(SAAM) & National Portrait Gallery

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この2つの美術館は同じ建物に入っています。今回は両館をざっくりと見学した後で、SAAMのHighlight Tourに参加してきました。

まずは1階から。上記の絵を初めて見たときには、アメリカっぽい絵画だなぁとおもっていましたが、果たしてやっぱりEdward HopperCape Cod Morningはコレクションハイライトの一つのようでした。いろんな解釈の余地があるのが、この絵のよいところだそうです。1階の奥は改装中となっていました。どうやら11/18から始まるイサムノグチ展の準備が進んでいるようです。イサムノグチ展も楽しみです。

 

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こちらはAlbert BierstadtによるAmong the Sierra Nevada, Californiaという作品です。巧みな遠近法によって、雄大な自然が引き立ちます。カリフォルニアの自然をもとに描かれた創作だそうです。ずっとこの景色を眺めていたい気持ちになります。西部開拓時代に描かれた絵で、当時Bierstadtはこの絵画の見学料を取っていたそうです。

 

SAAMのHighlight Tourには含まれませんが、この絵と同じ階にNational Portrait Galleryのアメリカ大統領シリーズがあります。たいていの大統領は1人につき1絵画ですが、リンカーンとワシントンは複数枚飾られていました。絵画の横に各大統領の解説があるのですが、全員分を読破するのはとても無理でした。

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さて、3階にはコンテンポラリーアートが展示されています。こちらは、予想外に随分面白い場所でした。Hirshhornよりも、さらにポップで陽気な雰囲気でした。展示室の隅っこでこの人何してるんだろう、と思ったら、アート作品でした。

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アメリカ合衆国の各州をネオンで表現したアートもなかなか見ごたえがありました。DCはテレビモニターが設置されていなくて、そのかわりにビデオカメラが設置されています。ユーモアたっぷりです。アイダホ州はジャガイモの映像です。

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この2つの美術館はなかなか見ごたえがあるので、定期的に通ってみようと思います。

 

 

美しさにため息~Cinderella performed by San Fancisco Ballet @ The Kennedy Center

San Francisco ballet Cinderella  に対する画像結果

バレエを鑑賞するために、Kennedy Centerに初めて行ってきました。Dupont Circle駅から歩くこと約25分で到着。今日は暖かい日だったのでお散歩日和でした。

この演目は大当たりでした。優美で、可憐で、たおやかで、しかもコメディ要素も含んでいるという多彩さ。衣装も舞台セットも凝っていて、シンデレラの世界にうっとりしながらの2時間30分でした。隣に座ったおばあさんがこの演目はWashington Postでも高く評価されていたことを教えてくれました。

今回はちょっと奮発して前のほうの良い席を買ったのですが、それでも100ドルもしないのがすごいです。年明けにAmerican Ballet Theaterが来DCするみたいなので、チケットが発売開始になったら、ぜひ購入したいと思います。

Flu Shot

DCエリアも急激に秋の気配が深まり、ついに寒くなってきました。最低気温が10℃を下回る日もあります。

というわけで、インフルエンザの予防接種を受けてきました。

アメリカではスーパーの処方箋コーナーで気軽に予防接種を受けることができます。これまで予防接種を受けて気分が悪くなったことはないのですが、万が一のことを考えて、車で行くのではなく、歩いていくことができるHarris Teeterで受けることにしました。

処方箋コーナーでFlu Shotを受けたいことを伝えると、同意書のようなものが渡されるので記入します。記入後に費用を払います。保険ナシで35ドル。日本よりもちょっと安いです。

その後、薬局コーナーのちょっと奥まったところに案内され、ベンチでちょっと待っててと、薬剤師っぽい人に言われました。待つこと5~10分。ほかにFlu Shotを受ける人はいません。さきほどの薬剤師っぽいひとが注射セットを持って、処方箋コーナーから出てきました。単なるベンチのあるスーパーの一角だったので、思わず「ここで打つの?」と聞いてしまいました。そうですよ、とのこと。おぅ、そうですか。少しカルチャーショック(笑)。

この薬剤師っぽい人の注射は上手で、痛みもほとんどなく予防接種はあっという間に終わりました。インフルエンザの予防接種は結構痛いというイメージがあったのでうれしいサプライズでした。接種後に気怠くなることもなく、上腕の筋肉の鈍痛くらいですみました。

所要時間は全部で20分くらいなので、オススメです。

 

 

 

 

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