白雲無盡時~2度目のアメリカ暮らしを終えて帰国

DC郊外のNorth Bethesdaで暮らしていました。旅、美術館巡り、スポーツ観戦などで日々を楽しんでいました。日本に帰国してからもこの趣味をどうやって続けるかが課題です。

オバマ大統領の肖像画@ National Portrait Gallery

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オバマ大統領の公式肖像画の公開がNational Portrait Galleryで始まったので観に行ってきました。公開翌日(平日)の夕方に訪れたところ、この絵画の正面には写真を撮る列ができていました。10分くらい並んで写真を撮りました。(写真を撮らずに見るだけなら、写真の列に並ばなくても見れます。その場合は待ち時間0分でした。)

クリントン大統領の肖像画もユニークですが、オバマ大統領の肖像画もずいぶん異色です。こんなにカラフルな肖像画はほかにないです。

 

National Gallery of Art 再訪

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National Gallery of Artに行ってきました。今回は18世紀~20世紀のフランスの美術品に関するツアーに参加してきました。

上の写真はNGAのサイトから借用しています。もともとはベルサイユ宮殿にあった噴水のキューピッド像で、ルイ14世が製作を命じたそうです。ガイドのハワードさんいわく、当時の美術品は、神話をモチーフにして皇帝を神格化することに貢献していたとのこと。

しかし時代は変遷し、ルイ15世の時代には神話をモチーフにしつつもビーナスや天使が人間味をもって描かれるようになります。さらに、民衆の生活そのものが描かれるようになります。

そしてフランス革命。ナポレオンの出現。どこにでもあるような身近な瞬間を描いていたのが一転して、ナポレオンを賛美して神格化するような肖像画が芸術のメインストリームとなります。

とはいえ、それもほんのひと時。

19世紀になると再び民衆を描くようになり、ときには社会を風刺するようなテーマも描くようになりました。以下はManetの絵画です(NGAのサイトから借用)。都市計画によってスラム街が撤去されたため、そこに住んでいた人たちが追い出された様子を描き出しています。とても迫力がある絵画です。

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そして20世紀には抽象的な絵画や印象派が生まれます。

 

フランスの芸術といえばいつも印象派しか見てこなかったので、今回のツアーはとても勉強になりました。芸術には当時の政情が色濃く反映されることを、改めてしみじみと感じました。

 

Los Angeles County Museum of Art(LACMA)

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アメリカ西海岸で最大級のコレクションをもつLACMAに行ってきました。そして確信しました。西海岸は美術品鑑賞には向かない場所だ、ということを。

NYCのメトロポリタン美術館(The Met)とおなじ入館料25ドルの割には、LACMAに展示されているコレクションはあまりに寂しいのです。体感的にはThe Metの1%くらいです。というわけで、どうしてもLACMAに行くという方は、あまり期待せずに訪問したほうがよいと思います。もっというと、LAにはもっと楽しい場所がたくさんあるので、そちらに時間とお金を割いたほうが良いと個人的には強く思います。

 

私がLACMAを訪問した時には、アメリカンアートと中国美術が閉館していて、ただでさえ見どころは半減していました。

印象派は1室しかなく、どちらかというとゴーギャンが中心で、私には見ごたえがありませんでした。マティス、そして一部のピサロは全く別の場所に展示されていました。ピカソの作品数はまずまずあったので、ピカソ好きにはいいかもしれません。

別館の日本館にもいってみましたが、所蔵しているはずの若冲などのすごいコレクションは全く展示されておらず、「?」と首をかしげるしかない掛け軸が仰々しく展示されていました。寄贈者のひとりであるジョープライスがLACMAの方針を以前批判していましたが、まさにその通りだと思いました。もったいない・・・。

根付の展示も面白いのですが、こちらは逆に点数が多すぎるために途中で飽きてしまい、残念としかいいようがありません。

ゲッティに行ったときも残念だと思ったのですが、LACMAはさらに残念な気持ちでいっぱいになりました。鑑賞を途中で切り上げて、リトルトーキョーに繰り出したのでした。

 

Architecture Tour in LA

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フランクロイドライトの建築がロデオドライブにあります。1つの建物に6つのショップが入居しています。ほかの建物とは明らかに違い、お店自体はむしろ目立たずに地味です。実はそれこそが目的だそうです。というのも中に入っているお店は、予約が必要なジュエリー店だったり、、、とだれでも気軽に入れるようなショップではありません。

 

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ハリウッドヒルにはフランクロイドライトが建てた住宅があります。最近ある会社が買ったそうで、いったい誰が買ったのかはわからなくなってしまったそうです。おそらく改築をするのか、土木関係者が家の周囲でドローンを飛ばしていました。

 

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たしかビバリーヒルズだったとおもいますが、フランクロイドライトJrが建てた家もありました。こちらもとても素敵でした。

 

LAに小旅行

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1月のDCの気温は摂氏0度以下の世界。寒すぎるのでただでさえ外に出かけるのが億劫になります。しかも今年はインフルエンザが大流行していることもあって、さらに外出を控えがちになります。

一方で、1月のLAは最高気温が摂氏30度という世界でした。夏です。しかも乾燥しているので、日向は暑いですが日陰は涼しいという世界。同じアメリカでも全然ちがいます。毎日外出したい気分になります。おススメの外出スポットを紹介します。

■Little Tokyo

ここは在米日本人にとって天国です。日本食に困ることがありません。日系スーパーニジヤでおにぎりを買い、ヤマザキパンで粒あんパンを買ってソフトクリームを食べ、新選組でラーメンを食べたり、寿司ゲンでお寿司をたべる・・・夢のような生活を送ることができます。お寿司さんは何軒もありますが、寿司ゲンが圧倒的においしいです。開店前から並ぶ必要がありますが、並んで待ったとしてもその価値があります。

Little Tokyoからほんの少し南に行くとSkid Rowという地域になります。Uberの運転手も、ホームレスだらけなので近寄らないほうがいいよと注意してくれました。車窓で見る限りでは、すべての建物のシャッターが閉まり、明かりもなく、誰もいないので、歩くわけにはいかないなぁと思いました。

 

■Koreatown

最寄りのメトロの駅Wilshire / Vermont StationからKoreatown中心地まで歩いてみたのですが、昼間だからよかったものの、夜は女性が一人で歩くのは控えたほうが良い雰囲気でした。中心地以外はやや緊張感のある町です。

とはいえ、やはり韓国料理、とくに焼肉レストランがすごいです。特におすすめなのが、各皿のお肉の量が控えめなQuartersです。量が控えめなのでいろんな種類のお肉を注文することができます。店内もおしゃれです。さらに本場感を味わうならKang Ho-Dong Baekjeongがお勧めです。ハングル語が話せる友達と一緒に行かないと本場過ぎてつらいかもしれませんが、おいしいですよ。

 

■The Grove

屋外タイプのショッピングモールです。普段使いのお店が並んでいるので気軽にショッピングすることができます。映画館や本屋さんもあり、中庭には噴水があり、アイスクリームをたべながらゆっくりと過ごすことができます。夏の日差しを楽しむのには打ってつけのモールです。平日の昼間に行ったのに、お客さんはたくさんいました。

 

■Taka Hair Salon

ふつうに日本の美容院にいる感覚で施術を受けることができます。仕上がりも、日本での施術よりも、大満足なくらいです。店内もおしゃれでLAに来ている感を存分に味わうことができます。LAで半日くらい時間が余る場合は、ぜひこちらでヘアスタイルをリフレッシュすることをお勧めしたいです。予約は必須です。

 

■Hollywood Walk of Fame

平日の朝10時くらいに行ったのに、すでに観光客が意外にいました。たくさんの星のプレートがあるので、お目当てのプレートがある場合には、あらかじめ調べていかないと見つけるのは困難だと思います。

 

■Madam Tussauds Hollywood

星のプレートとは違い、こちらは平日10時開店直後に入館したところ、誰もいませんでした。おかげで蝋人形をじっくりと鑑賞することができました。蝋人形は実物大なので、レディガガが意外に小さくて(多分150cm強)びっくりしたり、オバマ大統領がすごく大きかったり(多分190cm強)と、楽しめました。

セルフィーを持たずに行ってしまったので、せっかく蝋人形とのツーショットが取り放題だったのに、残念なことをしました。ひとりで行く場合にはセルフィーが必須です。

 

■Architecture Tour

ビバリーヒルズとウェストハリウッドの建築と都市計画に関するツアーに参加してきました。ツアーガイドのLauraは都市計画に精通していて、ビバリーヒルズの成り立ちについて詳しく話してくれました。まさかここが油田でそのあとは農地だったとは驚きでした。ロデオドライブにはフランクロイドライトの建築もあって、びっくりしました。

 

■Westfield Century CityのEataly

Taka Hair Salonのスタイリストのアキコさんに教えてもらいました。Eatalyはイタリアをコンセプトにしたレストラン・食料品店で、Westfield Century Cityの中に入っています。イタリアワインの豊富さにもびっくり。午後6時頃にレストランに入店したときにはまだ列はありませんでしたが、食べ終えて7時過ぎに出ようとしたところ、長い行列ができていました。地元の人に大人気のようです。

ちなみに同じモールにはMinamotoという岡山の和菓子屋さんが店舗を構えています。カステラとどら焼きを買って帰りました。岡山から空輸しているそうで、とてもおいしかったです。店員さんがアメリカ人なのに日本語ペラペラです。

 

■Santa Monica Beach

LAに来たら寄らずにはいられない場所です。浜辺で波打ち際を眺めていると、LAに来たなぁという実感がわきます。Santa Monica Placeでショッピングするのも楽しいです。

 

帰ってきたばかりなのに、戻りたい場所です。天候と日本食の環境は最高です。

All the President's Men

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先日鑑賞したThe Postの続きともいえる、ウォーターゲイト事件を描いた作品です。こちらもThe Postの記者が主人公となっています。

ロバートレッドフォードが、圧倒的にかっこいいです。ため息がでます。ダスティンホフマンも若い・・・。若かりし頃の中村雅俊と武田鉄也みたいなコンビだなぁと思いました。

この映画はとにかく硬派です。ひたすら地道に取材していく様子が丁寧に描かれています。そして、英語の聞き取り能力のせいか、ウォーターゲイト事件の予備知識がないままでみてしまったせいか、(その両方でしょう、きっと)、複雑な展開にあまりついていくことができませんでした。おそらく、映画化された当時に見たアメリカの人たちには当たり前の事多く、説明を必要としなかったのだと思います。映画をみたあとにWikipediaでウォーターゲイト事件についての記事を読んでみましたが、日本語でも読んでも、複雑でよくわからない有様。こりゃ、映画で英語でみても完全に理解できるわけがないな、と半ばあきらめる気持ちになりました。ただただ重厚な映画を見た、という感想です。

 

The Caps vs. the Flyers @ Capitial One Arena

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NHLのキャピタルズ戦を観戦してきました。試合はいまいちピリッとしない両者が均衡して1-1で3rd Periodを終えたものの、OT開始後約30秒でフライヤーズに得点されてしまいました。OTで決着をつけないでPKがみたいなぁなんて思っていたのも束の間、あっという間に負けてしまいました。

アイスホッケーの観戦はとにかく寒いので寒さ対策が必要です。私はいつもひざ掛けをもっていきます。今回は隣の見知らぬ人に「That's a good idea」と声をかけられました。とはいえ現地のみなさんはたいてい薄着なので寒さに対する感覚の違いがとても不思議です。

The Post

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メリルストリープの演技がとにかく秀逸です。映画を見ていることをつい忘れてしまうほど、自然な演技です。

父が創業したThe Washington Postを、有能な夫が継ぎ、Kay自身は裕福な女性として、子育てと社交の日々を送っていたのに、夫の自殺後にはやむを得ず家業を継いでThe Postのオーナーとなり、ビジネスを維持していくためにIPOする決断をし、銀行団との慣れない交渉にも臨み、ビジネス経験豊かな声の大きいボードメンバーに対して萎縮しつつ、万端に準備したにもかかわらず実際の交渉ではうまく意見を言うことができず、結局銀行団に押されて想定していた価格の中でも最低の価格でIPOすることになり・・・と、この映画のサイドストーリー的な部分がむしろ印象的で、この映画を今、世に問うことの意義を感じました。

主題のペンタゴンペーパーのパズルを記者たちが地道に解いていくところももちろん見どころだと思います。創業家として大事な局面で会社の理念を体現できるほどに成長したKayもとてもすばらしいし、その演技をするメリルもとにかく圧巻です。

鑑賞後、爽快な気持ちになれる、とてもよい映画でした。

マチュピチュ旅行③ハイキング

このツアーでは、ハイキングを選ぶこともできます。今回は2つのハイキングコースを歩いてみました。

■雨のウアカウアシハイキング

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このハイキングは標高3650mからスタートし、3.4㎞先の標高3850mのロッジを目指して歩きます。残念ながらあいにくの悪天候で、歩きだし始めたときから大粒の雨が降っていて、レインスーツの上にポンチョを来て歩きました。このコースのきついところは、最初に一気に200m登るところです。雨も降っていて足場も悪く、霧も濃いために見晴らしを楽しむこともできず、たとえ見晴らしがよかったとしても楽しむ余裕もなく、滑らないように足元を見て必死に歩き続けました。雨のおかげで、水を飲むのにも、お菓子を食べるのにも、とにかく苦労しました。ハイキングの終わりのほうでようやく雨がやみ、お昼ご飯を食べることができました。このとき食べたお昼ご飯のおいしさは格別でした。

3時間弱のハイキングでしたが、このハイキングで疲労困憊し、体が冷え切ってしまいました。ロッジに着いてからはずっと横になっていましたが、とにかく寒くて仕方ありません。湯たんぽ入手に奔走してくれた夫に感謝です。

 

■インカトレイルハイキングf:id:tigerrich:20180111034506j:plain

さて、雨のハイキングの翌日、3時間ほどのインカトレイルハイキングに行ってきました。この日は打って変わって曇り~晴れのハイキング日和。道もほとんど平坦だったので、楽しくハイキング・・・と言いたいところですが、いかんせん平坦でも3000m級の高地。普通に歩いているだけなのに、すぐに疲れてしまいました。

とはいえインカトレイルの絶景は・・・とにかく素晴らしい。

とにかく素晴らしいのです。ニュージーランドのミルフォードサウンドのハイキングも絶景と言われていますが、それとはまた違うすごさを持っていました。地元の人が今でもこのトレイルを使っていて、ときおりすれ違います。どの人も民族衣装を着ていて、シャイな笑顔で挨拶してくれます。リャマやアルパカの放牧にも随所で出会います。ハイカーは我々以外いません。まるで古のインカに迷い込んだような気持ちになります。

とはいえ、体力はやはり限界で常に最後尾を歩く始末。この日もロッジに到着後、ずっと横になっていました・・・。

マチュピチュ旅行②遺跡巡り

今回のツアーでは、おおよそ1日に1つの遺跡を散策しました。

 

■ピサク遺跡 The Archaeological Site of Pisaq

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見事な段々畑が印象的なピサク遺跡。この写真は遺跡のほんの一部です。石造りの建物や墓地が広範囲に築かれています。ちょっとした丘に登るのにも息が切れ、すぐに疲れてしまいました。

 

■アンカスマルカ遺跡 The Archaeological Site of Ancasmarca

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ここはラピュタか?と思うような遺跡です。この写真も遺跡のごくごく一部にすぎません。アンカスマルカ遺跡も壮大な遺跡で、もともとは税金を納める場所だったそうです。斜面には倉庫と思われる石造りの建物が数多く築かれていました。場所が不便なところにあるせいか観光客はほとんどいませんでした。

 

■オリャンタイタンボ遺跡 The Archaeological Site of Ollantaytambo

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マチュピチュにまだたどり着いていないのに、とにかくすごい遺跡群のオンパレードです。こちらのオリャンタイタンボ遺跡は、とにかく石・石・石です。この石の秩序に圧倒されます。

 

■マチュピチュ遺跡 Machu Picchu Sanctuary

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そして真打ち登場です。これまで見た遺跡も素晴らしかったのですが、やはりマチュピチュは別格でした。圧倒的過ぎて、自分の目で直接見ていることが信じられませんでした。ペルーから帰ってきた今は猶更、本当にこの景色を自分で見たのか、半信半疑な気持ちになってしまいます。

マチュピチュ遺跡は想像以上に別格のすばらしさでしたが、アクセスするのも別格でした。というのも、ここだけはツアーのバンではアクセスできません。オリャンタイタンボから列車に乗りマチュピチュ駅で降り、そこからはマチュピチュ行きの専用のバスに乗る必要があります。列車は1時間30分、バスは30分です。どちらに乗る際にもパスポートの提示をひたすら要求されるので、激しい雨が降っている中では、やや難儀しました。マチュピチュ遺跡に入場する際にも、再びパスポート提示が要求されます。ちなみに列車、バス、入場券を買うときにもパスポートが要求されます。

雨が降っているときはそれほどいなかった観光客も、雨が上がった後には大混雑するほどになりました。

 

 

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