National Gallery of Art 再訪
National Gallery of Artに行ってきました。今回は18世紀~20世紀のフランスの美術品に関するツアーに参加してきました。
上の写真はNGAのサイトから借用しています。もともとはベルサイユ宮殿にあった噴水のキューピッド像で、ルイ14世が製作を命じたそうです。ガイドのハワードさんいわく、当時の美術品は、神話をモチーフにして皇帝を神格化することに貢献していたとのこと。
しかし時代は変遷し、ルイ15世の時代には神話をモチーフにしつつもビーナスや天使が人間味をもって描かれるようになります。さらに、民衆の生活そのものが描かれるようになります。
そしてフランス革命。ナポレオンの出現。どこにでもあるような身近な瞬間を描いていたのが一転して、ナポレオンを賛美して神格化するような肖像画が芸術のメインストリームとなります。
とはいえ、それもほんのひと時。
19世紀になると再び民衆を描くようになり、ときには社会を風刺するようなテーマも描くようになりました。以下はManetの絵画です(NGAのサイトから借用)。都市計画によってスラム街が撤去されたため、そこに住んでいた人たちが追い出された様子を描き出しています。とても迫力がある絵画です。
そして20世紀には抽象的な絵画や印象派が生まれます。
フランスの芸術といえばいつも印象派しか見てこなかったので、今回のツアーはとても勉強になりました。芸術には当時の政情が色濃く反映されることを、改めてしみじみと感じました。