白雲無盡時~2度目のアメリカ暮らしを終えて帰国

DC郊外のNorth Bethesdaで暮らしていました。旅、美術館巡り、スポーツ観戦などで日々を楽しんでいました。日本に帰国してからもこの趣味をどうやって続けるかが課題です。

National Gallery of Art 再訪、そして・・・。

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NGAに行ってきました。上の作品はTheodore Rousseauの Ile-de-Franceの風景がです。いかにもバルビゾンスクールという作品ですね。

 

さて最近ずいぶん根を詰めて美術館に通っています。

その理由は、日本への帰国が迫っているからです。今月末に帰国します。帰国したらこんな頻度で、こんなクオリティの美術館に、無料で通えることはありえません。悔いを残さないためにも、老体に鞭を打ってw、美術館に日参しています。

DCは美術を勉強する人にとっては、まさに天国です。夢のような場所です。こんな素敵な場所に住むことができて、本当に幸せだったと思います。

NGAに通い始めたときは、ヨーロッパの明るくて美しい印象派の絵ばかりを観ていましたが、少しずつ美術を勉強していくと、印象派が出てくる直前までメインストリームだった伝統を重んじた絵画や、ルネッサンスの絵、宗教画なども、面白く鑑賞できるようになりました。モダンアートも大好きになりました。Mattiseのカットアウトがとくにすきで、色彩と形ののびのびとした調和に見惚れます。今日NGAの展示を観に行ったらカットアウトの展示室がクローズされていて、がっかりしました。前回じっくり見ておいてよかったです。そしてコンテンポラリーアートのRachel Whitereadは、作品のコンセプトを知ったうえで鑑賞すると共感とともに暖かい気持ちになるので、最高です。

一方で、アメリカの絵画は、CassartやWhistlerが最初は面白いと思っていました。いつもの間にかだんだん興味がなくなり、その代わりにアメリカのコンテンポラリーアートにはまりました。とくにミニマリストがやばいです。White on WhiteのRobert Rymanは私のヒーローです。そのほかにもEllsworth Kelly、Donald Judd、Alma Thomasがすきです。de Kooning やBasquiatは理解を超えますが、観ていると圧倒されます。HopperやO'keeffeもいいですね。

アメリカ生活も残すところ10日程度ですが、存分に芸術鑑賞を楽しんでおこうと思います。

Freer再訪

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Freerに行ってきました。

NGAで開催されている日本美術特別展を観てからここに来ると、作品が絞られていて、有名作品が展示されているわけでもないので、ずいぶん寂しいなぁという印象は否めません。贅沢な感想ですがw。現在中国芸術と韓国芸術の一部が展示替えのために閉室しているので、さらに展示作品数が激減していました。

上の写真はピーコックルームです。今日は窓が開いていない日だったので、薄暗い室内と金色のクジャクが美しい調和を見せてくれました。

 

Hirshhorn再訪

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Hirshhornに行ってきました。前回訪問した時と展示はやや変わっていましたが、引き続きエッジが立った展示でした。上の作品はRoman Opalkaの作品です。約50年くらいかけて、ひたすら数字を無限に向かって描き続ける、というコンセプトの作品です。あまりに緻密で、眺めていると惚れ惚れとします。(写真は解像度が低すぎて数字が読めなくなっています。) 遠くからみると、数字が波のような鱗のような形になっていて、面白いです。

 

National Gallery of Art 再訪

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NGAに行ってきました。再び 日本美術展を鑑賞してきました。展示作品の質の高さにしびれます。

上の写真はカフェテリアです。美術品を鑑賞していて疲れると、いつもここでコーヒーを飲んでいます。Chocolate Puddingが意外においしいです。ダウンタウンDCにはおいしいコーヒーが飲めるカフェが他にたくさんあるのですが、ついついここでくつろいでしまいます。

 

 

New World by NSO @ The Kennedy Center

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ケネディーセンターでNSOによるNew Worldを聴いてきました。

感無量でした。特に第2楽章は素晴らしい音色で、胸いっぱいになりました。

3年前にもここでNew Worldを聴きました。そのときはアメリカ生活を初めてまだ数か月で、アメリカの開拓の気風を強く感じて感動しました。そして今この曲を聴くと、この3年間、アメリカを存分に楽しんだなぁと、感慨深い気持ちになりました。

シカゴ旅行

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シカゴはいつ訪れても素敵な場所ですが、初夏に行くと、日が長いので朝から晩まで存分に楽しむことができます。そして建築好きとアート好きにはたまらない場所でもあります。

 

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The Art Insititute of Chicago 通称シカゴ美術館は、最も好きな美術館の一つです。印象派やアジア美術のコレクションもすばらしく、モダンアートやコンテンポラリーアートも万能に素敵で、どのアートが好きな人も楽しむことができると思います。上の作品はAlma Thomasの starry night and the astronautsです。青の深さに引き込まれます。

シカゴは食事もびっくりするほどおいしいので、私にとっては旅行先としては天国のような場所です。

 

 

NGAで開催されているThe Life of Animals in Japanese Art

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NGAに行ってきました。特別展「The Life of Animals in Japanese Art」が始まっているので、観に行ってみたところ、衝撃的なすばらしさでした。歌川広重、伊藤若冲、狩野永徳、葛飾北斎、円山応挙、仙厓上人、岡本太郎、草間彌生、奈良美智、村上隆などなど、衝撃的なラインナップです。打掛、鎧、仏像、焼き物なども展示されています。

こんなにたくさんの傑作を、間近で、ゆっくりと見ることができる幸せを噛みしめました。

この特別展は2019年8月18日まで開催中です。会期中にもう一度観に行きたいと思います。

 

SAAM再訪

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またまたSmithsonian American Art Museumに行ってきました。

いつ見ても美しくて力強いMickalene ThomasのPortrait of Mnonja。SAAMの3階に行くと、まずはご挨拶しないといけない絵画です。

 

そして、彼女にも必ずご挨拶してしまいます。

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Duane HansonのWoman Eatingです。あまりにリアルで、今にも動き出しそうです。この作品に出会って3年が経ちますが、何回見ても見飽きることがありません。閉館後にはきっと自由に動き回っているような気がします。

SAAMには建国以来のアメリカンアートが展示されています。メアリーキャサートのような印象派の作品もありますが、やはりアメリカンアートはコンテンポラリー以降のアートが独自性があって面白いです。

SAAMのいいところは中庭です。広々としていて、カフェも併設されているので、コーヒーを飲みながらのんびりと過ごすことができます。鑑賞に疲れたら中庭で休憩するのというのが私のいつものパターンです。

さらにSAAMのいいところは閉館時刻が19時という点です。ほかの美術館が17時に閉まるのに比べるとずっと遅くまで開館しているので、フラッと立ち寄るのにもちょうどいいです。

SAAM再訪

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先日心構えをせずに足を踏み入れてしまったSAAMのベトナム戦争関連の特別展。今回は心構えをして3階の展示に行ってみました。
やはりズッシリときました。上の写真は、On Kawaraの有名な作品Title (1965)です。確かこの前NGAの東館で見たような気がしたので、今回の特別展でこちらに貸し出されているのでしょう。

この他にも、センセーショナルな作品が多数展示されています。ただ、目をそむけたくなるような作品の中にいるとあまりに居心地が悪すぎて、作品に向き合う気力が湧きません。

そんな中で、もっとも静かな佇まいをしているのが、Barnett Newmanの作品Lace Curtain for Mayor Daleyです。素晴らしい作品です。決して目をそむけたくなるような煽り方はしてきません。むしろ作品を静かに直視し続けることができます。おかげで、Newmanがこの造形を通して表現しようとしていることに思いを馳せることができました。ミニマリズムは奥が深いです。

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SAAM再訪

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Smithsonian American Art Musuemに行ってきました。

現在開催されている特別展はTiffany Chungによる「Vietnam, Past Is Prologue」です。淡々と事実を提示しているにもかかわらず、詩的な作品に引き込まれます。ブラっと会場に入ってみたものの、その内容の濃さと重さに、会場を後にする頃にはズシンとおもりを背負ったような気持ちになりました。

この展示は2階にあり、3階には「ARTISTS RESPOND: AMERICAN ART AND THE VIETNAM WAR, 1965-1975」と題して、ベトナム戦争をテーマにした多様な芸術家による作品の特別展が開催されています。2階で心理的に消耗してしまって、3階の重さにはとても耐えられそうになかったので、サッと見て会場を後にしました。

前回の特別展「Sites Unseen」とは全く違う路線の展示内容でした。心構えして観に行かないと(私のようにうっかり気軽に見にいってしまうと)、作品に飲み込まれてしまいます。そういう意味では、さすがSAAMと思いました。

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